抗うつ剤の服用
うつ(鬱)病の回復期には、少しずつ仕事や日常生活に復帰する準備を始めますが、抗うつ剤の服用による治療は、急性期と同じ薬の量で最低6ヶ月は続けます。
これは、抗うつ剤には悪くなった状態を改善する作用と、良い状態を維持する作用があるためです。
また、仕事や日常生活に復帰すると生活が忙しくなって、薬を飲み忘れてしまうことがあるため、注意が必要。
回復期の治療では、自分で自分の状態をきちんと確認することができないため、最近は調子が良いからもう大丈夫、と自己判断で薬の服用をやめてしまうこともありますが、これは絶対にやめましょう。
うつ病の場合は、自分の状態が良いのか悪いのか分かりにくいため、担当の医師の忠告はきちんと守るようにします。
回復期の状態
うつ(鬱)病の回復期に入ると、自分では大丈夫と思っていても、些細なことでも傷付きやすくなっている状態になります。
仕事や日常生活の復帰を頑張りすぎてしまうと、逆に悪化してしまう場合もあるため、焦りは禁物。
一度悪化してしまうと、治るまでに時間がかかってしまいますし、同じことを何回か繰り返していると、傷跡が元通りに直らなくなってしまう可能性もあります。
症状が和らいだら一人で頑張りすぎずに、医師や周りの人と相談しながら、少し抑え気味に治療を進めて行きましょう。
睡眠のリズム
うつ(鬱)病の症状には、睡眠障害が多く見られます。
急性期には、眠れなかったり、眠れても夜中や明け方に目が覚めてしまったり、という症状が特に強くあらわれます。
そのため、昼間に眠って夜に生活する、という昼夜逆転の生活をしてしまう場合があります。
回復期には、症状が安定してくるため、夜は早めに寝て、朝起きたら太陽の光を浴びたり、散歩に出かけたり、という活動を増やして行きましょう。
睡眠・覚醒・休止というリズムを整えれば、体も慣れてきます。
ただし、夜はよく眠れるようになったのに、昼間に眠くなってきた場合は、うつ病の悪い症状が出ている可能性もあります。
自分の睡眠の状態を意識しておけば、今の状態が良いのか悪いのかを確認するための目安にもなります。
昼間の活動
昼間の活動については、自分でやってみたいことや出来そうなことをするようにしましょう。
誰かに言われたことを無理にやるのは、あまり良くありません。
また、無理な目標を定めてしまうのも良くないため、やってみたいことの半分くらいのことから始めるとよいでしょう。
いきなり100パーセントを目指すのではなく、最初は50パーセント、次は60パーセント、とその時の状況によって少しずつ上げたり下げたりしながら調整します。
活動を行った後は、楽しかったことや体の疲れを自分で確認しておきます。
活動したことについて、医師や周囲の人と話し合うのも良いでしょう。