再発予防
うつ(鬱)病の症状が治まって、元と同じ生活が送れるようになってきたら、うつ病の再発予防に気をつけます。
症状が軽くなってくると、患者さんは治療をやめたい、と思ってしまいがちですが、やめてしまうと再発する可能性があります。
そのため、薬の服用は半年間は続けるようにします。
うつ病の患者さんを統計的に調べてみると、この維持療法を行わなかった場合、再発してしまう可能性が高い、という調査結果も出ています。
しかし、きちんと維持療法を行えば、再発を予防することができるため、それほど心配する必要はありません。
うつ病は再発を繰り返してしまうと、薬の効果が出にくくなり、治療に時間がかかってしまうため、維持療法で良い状態を維持することが大切です。
維持療法
維持療法とは、うつ(鬱)病から回復して元の生活に復帰できた後も、再発予防のために薬を服用して治療を続けることです。
維持療法を行った場合、うつ病が再発する可能性は低くなるという研究結果が出ており、その効果はきちんと認められています。
初めてうつ病になった方は約半年間続ける必要があり、再発を繰り返した患者さんや症状が重い患者さんの場合は、1〜3年間の長期に渡る維持治療を行う必要があります。
維持療法の期間は個人差があるため、必ず担当の医師と相談をして指示を仰ぎましょう。
維持療法は終了が近づくにつれて、少しずつ薬の量を減らしていきます。
これは、突然服用をやめてしまうと、頭痛やめまいが起きたり、不安感が出てしまうためです。
ただし、意思の指示通りに薬の量を減らしていても、同じような症状があらわれる場合があります。
再発したのではないか、と思ってしまいがちですが、きちんと医師と相談をして薬を減らすペースをゆっくりにすれば、改善させることが可能です。
認知行動療法
うつ(鬱)病の再発予防には、うつ病になりやすい思考パターンを少しずつ変えていくことも大切。
認知行動療法を行えば、うつ病になりやすい思考パターンや物事のとらえ方を改善させることが可能です。
例えば、一人で仕事を抱えてしまうと、自分にはできないと思ったり、不安になってしまいます。
しかし、自分のできる範囲を頑張って、後は誰かに手伝ってもらおうと思えば、不安になることも、イライラすることもありません。
このような物事のとらえ方や思考パターンは、その人の癖のようになっているので、一人で修正するのは大変ですが、担当の医師と協力すれば少しずつ修正していくことが可能です。